父とわたし

先日、父親(家族内では、じいじと呼ばれているので、以降、じいじと書きます)が、半年の一度の検査に、総合病院に行くというので、ついていきました。

じいじも、高齢で、足に力が入らないため、杖をつき、えっちらおっちらと歩きます。

その日は、ちょうど雨。
午前に診察、午後かMRIと他にも検査。
診察から検査まで、結構な時間で、やっと全てが終わり、会計へ。

疲れきってヘロヘロな二人に、会計のお姉さんから、呼ばれてカウンターへ。

『○○さーん、お待たせさましたー。
  ご主人のお会計できましたー。』

はい?


ご主人とな?


ん?


じいじの顔を見つめて、再び、会計のお姉さんを見つめてみる。
お姉さんと、言ってはみているが、確実に50超えたお姉さんだ…。
  

『あ。○○さん、ご主人のね、お会計がね、できたので、自動精算機にカード入れて支払いしてくださいねー。』

『…ご主人…』

私は、『はい』という返事の代わりに、こう呟き、じいじを、よっこいしょって立たせ、
二人で『ありがとうございました。』
って、顔を向けたら、会計のお姉さんが、

ヤバーっ!!

って顔してくれたから、ちょっとだけ満足したんだけど。
後ろを振り返り、帰ろうとした背後から、

『娘だった!娘だった!顔そっくりだったー!どーしよー!』

って、ヒソヒソになってないヒソヒソ声で同僚に言ってる会計のお姉さんに、心の底から、

『顔そっくりだったはやめてくれ。』
と、呪いの呪文を唱えながら、じいじと一緒にヨタヨタ歩きで仲良く帰りました。

私の心は雨模様。